リードタイムの延長や倉庫移転で年間輸送距離8,040km、移動・待機時間460時間削減
株式会社ヤッホーブルーイングと信州名鉄運輸株式会社は、長時間労働削減に取り組む「ベストプラクティス企業」に選定され、11月22日(金)に長野労働局長の訪問を受けました。出荷から納品までに要する輸送時間「リードタイム」の延長や、ヤッホーブルーイングの倉庫移転に伴う効率化など、2社で協力し「2024年問題」に取り組む姿勢を評価いただきました。
ベストプラクティス企業とは
厚生労働省が2016年より毎年11月に実施している「過重労働解消キャンペーン」の一環で、各都道府県労働局が長時間労働削減に積極的に取り組む企業を選定するものです。
長野労働局ホームページ(https://jsite.mhlw.go.jp/nagano-roudoukyoku/tokushu_campaign/hatarakikata_kaikaku.html)
長野労働局長が訪問された際に、労働時間削減につながる取り組みを発表し意見交換しました。下記の3つの取り組みにより、年間の輸送距離は8,040km、移動・待機時間は計460時間削減できます。
ヤッホーブルーイングでは2021年3月より「リードタイム(出荷から納品までに要する時間)の延長」の取り組みを実施しています。主に関東地方・中部地方・近畿地方*¹(翌日配送エリア)を対象に、出荷後翌日納品だった卸先のうち65%*²が、出荷後中一日納品へと切り替わりました。出荷から納品までの日数が伸びることで、仕分け作業に余裕が生まれ集荷・配車の効率化が促進されます。また、トラック1台あたりの積載率の向上、夜間作業の軽減など物流事業者の負荷を軽減する効果があります。
*¹一部取引先を除く *²2024年11月時点
ヤッホーブルーイングでの受注状況を信州名鉄運輸とクラウド上で共有することで、リアルタイムに受注状況が確認できるように整えました。信州名鉄運輸でのピッキング(倉庫内にある商品の中から出荷指示のあったものを集めること)を受注締め切り前に始めることができるようになったことで、従来の受注後に出荷指示を渡してからピッキングを行う方法に比べ、トラックの待機時間を削減することができました。この取り組みにより、待機時間は計240時間削減できます。
2024年5月に、ヤッホーブルーイングの職場・労働環境の改善を目的に、信州名鉄運輸の提案のもとヤッホーブルーイングの製品倉庫を小諸市から佐久市へと移転しました。結果的に、①醸造所から倉庫までの距離短縮②信州名鉄上田支店・佐久支店の2拠点対応から佐久支店の1拠点での対応が可能になり、年間の輸送距離は8,040km、移動時間は計220時間削減できました。
人手不足やさらなる物量の増加など、物流を取り巻く環境の変化への対応は近年ますます重要となっています。今後も持続可能な物流の実現を目指し、物流企業やドライバーにとってより働きやすい環境をつくるとともに、自然環境に配慮した物流を推進します。