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【事例紹介】副業がウェルビーイングを高める?ヤッホーブルーイングが「複業」を容認する理由とメリット

【事例紹介】副業がウェルビーイングを高める?ヤッホーブルーイングが「複業」を容認する理由とメリット

「副業」という言葉。ここ数年で耳にする機会がぐんと増えた気がします。

それもそのはず。
2018年に「厚労省ガイドライン」が改定されて以降、副業を容認する企業は右肩上がりに増加しており、2026年4月には公務員の副業も解禁されました(※許可制・条件つき)。
政府が働き方改革の一環として副業を推奨していることや、若者の価値観の変化などもあり、副業はいまや一般的な選択肢になってきています。ある調査によると、2025年度は副業容認企業数・副業実施率ともに過去最高になったそうです*¹。*¹)2025年8月実施パーソル総合研究所「第四回 副業の実態・意識に関する定量調査」より

私たちヤッホーブルーイングもスタッフの副業を認めています。
今日は、私たちの考える「副業」のあり方について、実際の事例をもとにお話します。

■目次

  • 副業に対する、ヤッホーブルーイングの考え方
    • ウェルビーイングと副業の関係
  • ヤッホーブルーイングの副業事例
    • 前職の経験を活かし、自分で焙煎したコーヒーを販売する経営企画スタッフ
    • 地域の交流拠点で働きながら、地域に参画する営業スタッフ
    • 趣味をつめこんだカフェ&バーで働くイベント企画スタッフ
  • スタッフの副業が会社に与える影響
  • 「副業」ではなく「複業」

■副業に対する、ヤッホーブルーイングの考え方
副業の話といいながら、ヤッホーブルーイングは「副業大歓迎!」の企業ではありません。
なぜなら、スタッフの心身の健康が最重要だと考えているからです。労働時間の観点で考えると、副業は時間が伸び、その結果心身への悪影響や本業のパフォーマンス低下につながる可能性があります。また、副業の理由としてよく挙がる「収入増」や「キャリア形成/スキルの深化」などは、可能な限り本業のなかで実現してほしいと考えており、そのための制度も取り入れています。


▲「プロジェクト制度」。業務全体の2割をプロジェクトに充てることを推奨しており、所属部署に関係なくやりたい人がやりたい業務に参画できます。

ではなぜ、副業制度を取り入れているのでしょうか。
それは、副業を通した他者貢献やスキルシェアが、スタッフ自身のウェルビーイングに繋がるからです。

ウェルビーイングと副業の関係
ウェルビーイング(持続的な幸福)を構成するといわれる、「PERMA」という5つの要素があります。

副業を含むスキルシェア参画者と、そうでない人のPERMA数値を比較した研究*²では、すべての要素について前者のほうが高い数値を示したそうです。つまり、副業などで他者貢献をしている人は、そうでない人よりも持続的幸福度が相対的に高いということになります。
*²)「スキルシェアの位置付けと持続的幸福度の関係性― 副業と趣味の⽐較検討ー」(青木、2022)


図:「スキルシェアの位置付けと持続的幸福度の関係性― 副業と趣味の⽐較検討ー」(青木、2022)より筆者作成

ヤッホーブルーイングは「ビールに味を!人生に幸せを!」をミッションに掲げており、その実現のためには、誰よりもまず働いている自分たちが幸せでなくてはならないと考えています。だからこそ、個人の得意や意思を生かした副業は、スタッフのウェルビーイングに繋がるものとして容認しているのです。

■ヤッホーブルーイングの副業事例
スタッフ数の増加や、社会の変化などもあり、ヤッホーブルーイングで副業をするスタッフは、少しずつですが増えてきています。

その内訳はさまざま。
一般的にイメージしやすい副業に取り組むスタッフもいますが、かねてからの自分の夢や好きなことを形にした、ユニークな副業事例も複数あるのが特徴です。せっかくなので、その事例をいくつかご紹介したいと思います。


前職の経験を活かし、自分で焙煎したコーヒーを販売する経営企画スタッフ
経営企画ユニットの「moca」は、本業の傍らで自ら焙煎したスペシャルティコーヒーの魅力を伝える活動や、イベントへの出店を行っています。以前コーヒー業界に身を置きコンペティションでの入賞経験もあるmocaは、クラフトビールとスペシャルティコーヒーに共通する楽しさを広めたいと活動を始めたそうです。モノづくりから届けるまでの流れを体感できることや、本業とは異なる視点を得られることが良い影響を与えているといいます。

地域の交流拠点で働きながら、地域に参画する営業スタッフ
長野エリアの営業を担当する「ぱんだ」は、就業時間後に駅前の交流拠点で、飲食提供スタッフとして働いています。副業を始めた理由は「地域の輪の中に入りたい」という思いがあったから。スタッフとしてお店に立つほか、地域の様々な活動へなどにも積極的に参加しており、それらを通して家族や同僚とは違う緩やかな繋がりができることが嬉しいといいます。時には、副業で知り合った人を通してヤッホーブルーイングでの仕事に繋がることもあるそうです。

趣味をつめこんだカフェ&バーで働くイベント企画スタッフ
ファンイベントユニットに所属する「ももきょ」は、移住先である小諸市でご主人とともにレコードカフェ&バーを開業し、スタッフとして働いています。ヤッホーブルーイングへの入社を機に移住した地で、新たな挑戦をしてみたいと思ったことが開業のきっかけ。趣味である音楽を中心とした新たな輪が広がり、コミュニティができることで、本業とよいバランスを保ちながら仕事ができているそうです。

■スタッフの副業が会社に与える影響
副業について、スタッフ自身のウェルビーイングに寄与することはここまで説明してきました。では、会社にとってどんな影響があるのでしょうか。
ここでは、副業が企業にもたらすメリットを2点ご紹介します。

①会社を知ってもらうきっかけになる
先ほどもお話したとおり、ヤッホーブルーイングにはユニークな副業事例がいくつもあります。これらは時として、スタッフや会社の雰囲気を知ってもらうためのきっかけにもなっています。
実際、SNSでスタッフが副業で運営するお店の様子を紹介した際には、ファンの方からたくさんの反応をいただきました。メディアの方に、副業に関する取材先としてお越しいただいたこともあります。スタッフの副業を通して、会社のことを知ってもらえる機会に繋がっているのです。

越境学習がイノベーションに繋がる
越境学習とは、普段勤務している会社や職場を離れ、まったく異なる環境に身を置く体験から得る学びのこと。出向など企業主導のものと、ボランティアなどの個人主導のものがあり、副業は後者にあたります。越境学習のメリットは、イノベーションに繋がりうる点です。本業だけでは得られなかった経験や出会えなかった価値観を通し、新たなアイデアやイノベーション誕生のきっかけとなります。実際、副業で培ったコーヒーの技術をビールの開発に転用できないかというトライが生まれたり、副業でできた地元の人脈がイベントの引き合いに繋がったりという事例が生まれています。

■「副業」ではなく「複業」という考え方
「複業」という言葉があります。本業に対する副次的な立ち位置として別の仕事をするのではなく、複数の本業を持つという意味で「複業」です。スタッフの思いや強みを尊重した新しい働き方を認めているという意味では、先ほど挙げた事例はどれも「複業」の考え方に近いかもしれません。

スタッフの幸せが第一優先。幸福につながるなら、スタッフのやりたいことを全力で応援してあげたい。それがヤッホーブルーイングの考える副業のあり方です。
副業の理由は様々あってよいと思いますが、強みをいかしつつウェルビーイングにもつながる「複業」の考え方が広まればいいなと思っています。